「ロードバイク、ちょっと見てもらえますか?」ちょっとは見れないの! おまけにタダは無理!!
働く自転車屋に、スポーツ車を持ち込んで来て、
「ちょっと見て欲しい」
という人が、それなりにいます。
で、何をちょっと見て欲しいかと言えば、
- ブレーキがよく効かない
- 変速がうまく変わらない
というところですね。
で何が驚くと、お金を払いたくない、ということですね。
「スポーツ車はちょっとは見れません、お金ががかかりますよ」
というと、じゃあいいです、と言って憮然と帰っていく。
こうした人、月に1人具合の割合であらわれるのです。
そもそもスポーツ車、特にロードバイクはちょっとは見れません。
ある程度きちんとした整備になります。
もちろん定期的に整備に持ってくるようなお客なら別。
普段から整備しているので、そんなにいじるところがありません。なので、ちょっと調整すればすむことが多いです。そうした自転車なら、ちょっと調整することができます。
でもこうした持ち込みをする人は初めての人。
見たことも触ったこともない自転車。
そんなのちょっと見ることは出来ません。
どんな状態で、どんなトラブルがあるか分からないからです。
なので見る以上はきちんとお金をもらいますし、それなりの時間をいただきます。
スポーツ車はどうしてもスピードが出るもの。ブレーキがきちんと効かなかったら、最悪死んでしまうこともあるのです。
そんなものを「ちょっと」見ることは、私には出来ません。
この『ちょっと問題』で一番困るのは、お金を払いたくない、と思っていることです。
ちょっと見てくれればいい、と言うわけですが、「ちょっとなので」無料で見て欲しい、ということですね。
ある程度時間とお金をもらえれば、出来る限りの整備をします。
でも無料で、と言われると、それは出来ません。私も一応ギャラをもらって働いているので、それなりに工賃をもらわなければなりません。
私がある程度動く、ということはそれなりにお金が発生しているんです。
それを無料で見ろ、というのは虫がよすぎると思っています。
スポーツ車はちょっとは見ることができません。
それも無料で見ることなんて、できるはずがありません。
どこの医者でも、ちょっとただで見て欲しい、と言っても、見てくれるところはないと思います。
でもなんで自転車屋だと、それができると思うのか、不思議でしょうがありません。